2010年12月05日

「偶,生き物」河部 壮一郎

某ゲームのモンスターはただ単に「変態」しているだけだと思うけど「進化」すると言われるし,スポーツ選手もニュースの中では「進化」したなんて言われたりする.いや,別に「進化」という言葉に何か発展するような意味を含んでしまう気持ちはわかるからこのこと自体は否定したりはしないけど,例えば「ハイブリッドイグアナは木に登れるように爪を鋭く進化させている」なんて表現をテレビなどで耳にしたりすると,もう少しうまく言えないかなぁなんて思うのです.まぁ確かに僕らもこんな表現をしてしまうけれども.

「進化」って,『たまたま周りの仲間とは変わったものが,たまたま今までの環境が変わっちゃった時,たまたまその環境で他の連中よりも有利だったから生き延びて子供を残せて,その後もその子孫たちが同じようにしてたまたま生きながらえちゃった』っていう事を言っているんだと是非多くの人に知ってもらいたいなって思うのです.なんとなく世間では「進化」は,「こういう方向に進みたい,進んでいこう」というような意味や,「高次な方向へ進んでいく」という意味で捉えられていると思う.でもその時々の生き物(ウイルスでもいいけど)はこういった意思なんてまったく持っていないわけで.そして生き延びたからといって,それが決してすごいものに変わったとは言えない.たまたまその環境で有利だっただけ.

今生きてる生物ってたまたま生き延びちゃった連中の集まりなんですね.たまたまの積み重ねでヒトも誕生し,我々も生きているのです.たまたまの幸運の持ち主の子孫ってだけなのかもしれないけど,今に至るまでの長い時間それぞれの環境を乗り切ってきたすごい奴らの子孫でもあると言えるんじゃないかな.今生きている生物はみんな,今の環境を生きるエキスパートなわけです.そんな事を多くの人が感じて欲しいなと思うのです.あ,でも絶滅した連中もたまたま絶滅しちゃっただけなんだよね,運悪く.決して優劣なんかじゃないんだろうな.この世に一度生を受けただけで十分に素晴らしいってことかな.

2010年は国際生物多様性年だそうで,日本でCOP10が開催され温暖化について議論されたりしてるのを聞いて「むしろ温暖化して熱帯増える方が生物多様性高くなるんじゃないの(笑)」なんて思う僕(いや,冗談です)が,こんなにも生物ってすごいんだぜって言ってもしかたないですが…
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